時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第六十八話 if〜消えた誕生日パーティー〜(レオン)

「レオン様、どうしてまだ婚約破棄をして下さらないのですか?」



最近のアリシアは、何度もいつ婚約破棄をするのか聞いてくる。

アリシアといるのは楽だった。

兄上と比べることもなく、その上王族らしくとか、あれこれ言わない。

リディアのようにかしこまってないからだろうか。

確かにリディアも兄上と比べたりはしないが、何だか距離感があり満たされなかった。

だが、婚約破棄の話だけは聞きたくない。

リディアが好きだと言う気持ちもある。

しかし、アリシアと寝てしまった。

責任もあるし、アリシアが可愛いと思う気持ちもあるがリディアに対する誠実な気持ちとは違うと思う。



最近はリディアに会ってもいない。

体調が悪く花嫁修業も休みがちだと聞いた。

会いたいがいつ会えばいいのかも悩んでいた。最近は、休みの度にアリシアと寝ていたから。



そして、久しぶりにリディアと会えることになった。

俺の誕生日パーティーに来る。

迎えに行くかと思っていたら、アリシアと寝ている時にエスコートする約束をしてしまっていた。

まあどうせ、ホールで会えるからと気にしなかった。



ホールでは、アリシアとダンスの約束もしていた為に、リディアより先にアリシアと踊ってしまった。

もしかして、焼きもちを妬いて止めにくるかと、淡い期待をしたがやはりリディアは来ない。

またイラつきを感じていると、リディアはオズワルド・ブラッドフォード公爵と話している。



可愛いかった。

あの笑顔を見るのは久しぶりだった。





アリシアにダンスで足を踏まれても気にならないほど、何故、オズワルドと、とリディアとオズワルドが気になり、あの笑顔をオズワルドに向けているかと思うと腹立たしさが込み上げてきた。

そして、ついに怒鳴ってしまった。



「リディア! 何をしている!」



オズワルドには、兄上が呼んでいると言われたが、リディアとオズワルドを残していくのが堪らなく嫌だった。

リディアの婚約者は私なのにと。



アリシアを置いて兄上のいる控室に行くと「何をやっているんだ」と叱責された。



「誰が婚約者なのかはわかっています! アリシアは結婚前の遊びです!」



アリシアと結婚なんか考えてない。

ただ一緒にいて楽だった。

でも…一緒にいて、これがリディアならと思うことは何度もあった。

だがリディアは一度も何も言わない。

嫉妬さえしてくれない。

リディアの気持ちが見えないのだ。



そして、あのオズワルドの叫び声が聞こえた。リディアの名を叫んでいたのだ。



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