時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第八十二話 闇に包まれる 3

風と共にあの空間の割れ目に吸い込まれて気が付けばどこかの洞窟だった。

何故こんなところに!?

周りはゴツゴツと石なのか岩肌ばかりだ。所々水晶みたいのがあるし!

しかし━━



「寒い!」



洞窟の中は、すきま風どころが冷気が押し寄せているようだった。

アレク様の宮にいたから防寒具も着てなく、ちょっと良い普段着のままだ。靴もローファーでとても岩肌を歩くような格好ではない。

それでも、どこかわからない為、風が吹いている方角が入り口と思い洞窟の入り口に歩いていた。



あまりに寒くて自分自身を抱きしめるように両腕を抱え、洞窟の入り口が見えると外は雪が降っていた。



だからここはどこ!?



寒くて混乱しそうだった。



雪の中、あの岩肌を降りるのが正解なのかここで来るかわからない助けを待つか。何が正解かもわからない。



洞窟の奥は暗くて怖い。

寒さの震えと不安と恐怖で、震えは増すばかりだった。



雪が入って来られないくらいの入り口付近に座り込み、一人丸まっていた。



こんな寒さの中、こんな格好で外には出られない。

あのオズワルド様なら助けに来てくれるはず。



それに、早く会いたい。



「早く来て下さい。寒いのですよ……」





まだ耐えられる。そう思いながらカタカタと寒さに耐えていると、鳥の声が聞こえた。

洞窟の入り口に視線を移すと一匹の鳥が私の元にやって来たのだ。



「……ベルガモットさん?」

「クワッ」



ベルガモットさんだった。

知っている顔を見たせいか、思わず涙を流しベルガモットさんを抱きしめた。



「ベルガモットさん、来てくれたのね。さすがです。賢いですわ」

「クワッ」

「……オズワルド様を呼んで来てくれるの?」



ベルガモットさんは私の肩に乗り頭のリボンを引っ張っている。

ベルガモットさんがいなくなるとまた不安になるけど、私には他に連絡する術はない。



「ベルガモットさん、お願いします……オズワルド様に会いたいのです……」





体温の奪われた冷たい手でベルガモットさんの頭を撫でると、一鳴きしてリボンを咥えたまま飛んで行った。



オズワルド様が来るまでに私の体は持つのかしら。もうダメなような気がする。

……私がいなくなったらオズワルド様はどうするのかしら。誰かとお付き合いするのかしら。
それともまた、特定の方を作らず遊ぶのかしら。



こんなに寒くてぼーっとするのに眠くない。眠くないのになんだかぼーっとする。

時間が戻った副作用の睡眠障害のせいかしら。



何だか幻覚も見える気がする……。

目の前のお化けみたいな光は何かしら。




訳も分からずに光が私に触れると何だか不思議と眠くなり、気が付けば瞼が閉じていた。

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