世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
「あ、そうだっけ? あんたはるちゃんの奥さんだだけ? ごめんねぇー、私同性大嫌いだから、名前覚える気ないの。空気だとおもってるから。底辺の癖に私に口出しするなんて100万年早いよ。せめて、その不愉快な顔変えてから言って」
 悪びれもせず手をひらひらさせて、はるちゃんってこんなブサイクな顔が好みとか物好きねとからかう。
 追い討ちかけるように、世界一可愛いゆいちゃんと結婚しよと陽貴の手を包む。
 陽貴は手を振り払って「やめてくれませんかね」と怒気のはらんだ口調になる。
「――悠真が倒れたあの日、何で病院に行かなかったんですか?」
 声のトーンが変わったのにやっと気づいたのか、結花は「あ、いや、その日は……用事があって……それに倒れたって聞いて気が動転してたから」と目を逸らす。
「そうですか。気が動転してるのに、友達と遊ぶ元気はあるんですね」
 陽貴は鞄から分厚い紙を取り出して、結花に見せる。
 その瞬間、結花の顔が凍りついた。
 ――駅で男性と腕を組んでいる姿。
 ――友人とランチをしている姿。
 な、なんで? こんなのが残ってるの?!
 き、気が動転して気分転換したかっただけよ。
 そうよ。私悪くない。
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