世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 悠真が笑い飛ばしながら話す内容に、龍太郎はすみませんでしたと何度も頭をさげた。
 陽貴必死に頭を下げる龍太郎の姿に、追い詰めてるようで申し訳なく思った。
 それ以来、龍太郎は結花との連絡を避けた。 

「そ、そんな! 友達なのよ 結婚なんて冗談に決まってんじゃん。遊びなんだから。慰謝料請求とかふざけないでよ」 
 このセリフ女の人でもいう人いるんだなぁと陽貴は思わず感心した。
 龍太郎は騙されていたんだから。知らないまま結花に恋していたんだから。
「龍太郎さんは結構本気だったそうですよ。御家族にも紹介したいと仰ってました。だから私達があなたの”本当のこと”を全て説明致しました――《《未来ある若者の恋心》》をあなたは遊びで傷つけたんですよ。それ以外にも過去にあなたは無神経な発言や行動で多くの人を傷つけてきた、その《《ツケ》》が、影響が陽鞠ちゃんに来てるんですよ――担任の先生に辛くあたられてるんですよ。部活の部長にも。お2人共、あなたの中学時代の同級生であり、嫌がらせの《《被害者》》だったんです。これがどういう意味か分かりますか?」
「分かるわけないじゃん! だいたい昔の話っしょ? 何やったかも名前も覚えてないの! もう時効じゃん! 娘は関係ないしー。なんで蒸し返すの?」
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