世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 世界一可愛い私を見なさいよ!
 結花は楽しそうな悠真を無視してSNSに投稿する。
『夫がクイズ番組に夢中で私の話聞いてくれない』
『問題集捨ててやろうかなw』
 悠真はつまらなさそうにしている結花に気づき、気を遣ってテレビを消す。
「さっきからすごい機嫌悪そうだけどどうした?」
「……別に」
 悠真が穏やかな口調で尋ねるがつっけんどんに返す結花。
 悠真はまた始まったと呆れのようなため息をつく。
 いわゆる「察してちゃん」だ。
 機嫌悪くなると返事が塩対応どころか突き放すような口調になる。
 諸悪の根源は結花の母やお手伝いさん達だ。
 結花のご機嫌取りが当たり前になっている。
 そうじゃないと家の空気は険悪になるからだろう。
 実家から悠真に変わっただけだ。
「あのな、もう20代でしょ? もうそうやって不機嫌アピールするのやめてくれないか?」
 悠真の注意にぷいとそっぽを向く結花。
「何が気に入らないんだ? 俺のお母さんの通院か? 俺が家に帰ろうがいなくてもいつも嫌そうな顔してるよな? 一体なんなんだ?」
 悠真の口調が段々ヒートアップしていく。
 結花は立ち上がって仁王立ちしながら
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