僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
私にとっては、〝くろすけ〟がそういう存在だった。

一生会うこともないであろうSNS上のもろい関係でも、心が誰かとつながっていると感じるだけで、人は強くなれるんだ。

「だから――」

「だからどうしたって言うんですか?」

だけど私に向けられた高安くんの視線は、これまでとは比較にならないほど、嫌悪感に満ちていた。

「え……?」

舞い上がっていた気持ちが、空気を失った風船のように、とたんにシュルシュルとしぼんでいく。

「今は学校に行けてるから、自分は偉いって言いたいんですか?」

「そんなこと……」

「とにかく、学校にも合宿にもいきません」

高安くんは嫌悪感丸出しの視線を私に残したまま、強めに玄関のドアを閉めた。

抜け殻のような状態で、ひとりその場に取り残された私。
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