運命の出逢い


―――ガチャ……。

控えめに開けたドアの隙間から部屋の中を覗けば、シーンと静まり返っていて誰もいないことを教えてくれる。


……まだペアの人は来てないんだ……。


ホッとしたのもつかの間、

ガチャと少し荒くドアを開ける音がして、ハッとして振り返れば、


「お」


黒髪でまるで漫画の世界から出て来たのかと疑いたくなるレベルの整った顔をして男の子。


「ぁ……」


突然の登場でびっくりしてし過ぎて声を出せないでいれば、


「お前がペアの人?」


「あ……は、はい」


「ふ~ん…。あんま足引っ張んなよ」


私の方をチラッと見た彼は、冷たい口調でそう言った……。


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