続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
エピローグ
ーーーー3年半後。

「パパー」
「パパ」
「ニャーン」

朝の日差しと共に、俺を呼ぶ、可愛い双子の雛鳥達の声が聞こえてくる。

足元からは、ミャーが、起き上がり、すりすりと俺の足に体を擦り付けている。

「……うーん……美弥、いま何時?」

「ママ、あっち」
「パパ、おきて」

小さな掌で、左右から俺は、交互に揺さぶられる。

僅かに瞳を開ければ、右には、俺によく似た切長の瞳の颯斗(はやと)が、口を尖らせていて、左を見れば、黒髪のおかっぱ頭に、大きな黒い瞳の美優(みゆ)が、俺のほっぺたを突いている。   

「ねぇ、パパ、あうとれっと、いきたい」

「みゆも、おにんぎょさん、ほしいの」

「んー……久しぶりに行ってもいいけど、ママに聞いてからな」

俺が、寝返りを打つと子供達が、俺の髪を左右からツンツンと引っ張る。

「いてえな」

「パパが、おきるまでやるからな」

「みゆもー」

そう、俺と美弥の子供は、双子だった。

それも、それぞれの顔は、俺と美弥にそっくりだ。

(幸せだな……可愛い猫と子ども達に囲まれて、好きな女が、いつも俺の側にいてくれる)
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