甘い夢        sweet dream

「疲れた…。」

しつこく頬にできた手跡について説明を求めてくる薫を、『友達と勉強中に寝落ちしそうな私を起こすために自分で友達に頼んでビンタしてくれとお願いした』とかなり苦しい言い訳で2時間貫き通し、とりあえず今日のところは帰ってくれた。

…しばらく薫と距離を置いた方がいいのかもしれない。

そしたら、この薫への気持ちももしかしたら消えてなくなるかも。これは神様が与えてくださったいい機会なのかもしれない。幼馴染で好きな人だからって、彼女がいる人の家に出入りするのは、確かにファンクラブの人達の言うようにずうずうしかった。彼にも言っておかなくては。しばらくこの部屋にはこないように、と。

大体友達だってまだそんなにできていないし、勉強だって頑張らないといけないのに、恋愛なんてしている余裕は今の私にはない。幸い同じクラスではないし、気をつけていれば一言も話さず、会うこともなく過ごせるかもしれない。

さっそく明日から実行しようっ。

そう思い、その日は眠りについた。




「…土曜日だった。」

あんなに意気込んだにも関わらず、学校は休みだということをすっかり忘れていた。叩かれた頬は綺麗になっていて、ひとまず安心する。

「ふぁー…」

適当に着替えて、リビングに降りていく。両親とも土曜日は仕事があるから普段はもういない。
だから、この家には今は私一人のはずなのだ。…なのだが。

「あ、やっと起きてきた。おはよう、ハル。」

自分の家のようにくつろいでいる薫。

「ごめんなさい、お邪魔してます。薫くんと付き合ってます、花音です。」

そして何故か薫の彼女がいた。























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