【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
レイチェルの言葉にノエリアは目を見開いた。
ショックを受けるノエリアの様子をみたホールデンは焦ったようにノエリアを見ていた。


「そ、それは言葉の文で‥」

「ホール様の嘘つきっ!」

「そもそも僕にそんな権限はまだ‥っ」

「うっ‥!やっぱりホール様の私への愛はそんなものだったのね」

「違うんだレイチェル、機嫌を直してくれ!」


ノエリアは唖然として、その場に立ち尽くしていた。
それと同時に今まで感じた事のないような怒りが湧いてくる。

2人は‥少なくともレイチェルとドロシーは確実にノエリアを葬り去るつもりだったのだろう。

(ホールデンまで、わたくしを殺すことに賛同していたなんて‥)

そして今、濡れ衣まで被せられようとしているノエリアは、静かに口を開いたのだった。


「‥‥貴方達の言い分は分かりました」

「やっと自分の罪を認める気に‥!」

「いいえ、わたくしは断じてそのような事はしておりません」

「なっ‥ノエリアは嘘をついているわ!信じて、ホール様」

「勿論だ、レイチェル」


自分が無実の罪で殺されそうになっているのにも関わらず、冷静に対応している自分に嫌気が差した。

ノエリアは2人の愛に溢れた会話にうんざりしていた。
馬鹿馬鹿しいやり取りに頭が痛くなる。
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