あなたが婚約破棄されたいならどうぞご自由に。ですが、私の周囲は怒っているので覚悟をなさって下さい。私は私で王太子殿下に溺愛されてしあわせになりますので
「アリサのことは、生涯わが家で面倒をみるのが当然のことなのに……。このバカたれは、なんということをしでかしてくれたのだ」

 公爵は、大声でなじりはじめた。

「そんな昔のことを。そんなことはささいなことだし、ただの過程だ。火遊びをしていたのはわたしだけではない。わたしだけに非があるわけじゃない」
「なにをズレたことを言っているの?」
「うるさいっ!ソフィア、きみはいったいどちらの味方なんだ。せっかく婚約をしてやろうというのに、その態度はなんだ?」
< 46 / 71 >

この作品をシェア

pagetop