信じていた···疑う事も··なかった
動き出す④

北山さんは、税務署を辞めた。

俺は、周りから冷ややかな目で
見られていた。

離婚届も中々、書けずに
時任先生から、何度も説得を受けた。

裁判になると
何度も沙良を煩わせる事になると
時任さんに何度も説得されて
渋々、記入した。

側に要られなくても
戸籍だけでも
繋がっていたい。

これも俺の身勝手な思いだ。
なら、最初から他の女性に
目を向けるな
と、言う事だ。

心から沙良だけを
愛している、と言っても
沙良に取って、真実味はない。

両親からもかなり叱られた。

しばらく、顔も見せるな。と。

俺は、部長に全てを話し
退職を申しでた。

部長は、かなり落胆されていたが
「寒い土地に行き
一度、頭も心も凍らせて
改めて溶かしてきなさい。」
と、言われた。

手続きを済ませてから
時任先生へ連絡をした。
マンションも転勤を話すと
速やかに手続きを終わらせてくれた。

沙良にもう一度だけ
会いたかったが
それは、許されなかった。

北山さんとは連絡が付かず
北山さんのご両親と話したと
時任先生より。

自分にも何か北山さん側から
請求があるかもしれないので
先生には、住まい等をお知らせした。

両親へは、ハガキを送った。

年を老いて行く両親が心配だが
自分がしでかした事だ
本当に申し訳ない気持ちで
いっぱいだった。


時任先生から連絡があった日から
四ヶ月後に
俺は、福井県へと向かった。
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