信じていた···疑う事も··なかった
余談②

輝 ( あきら ) は、
諦めなかった。

国や県に掛け合いながら
自分の両親が作った
幼稚園から目を背向け
一人の人の人格を
心を壊した。

大事に産み落とされて
大事に育てられた
娘さんを。

輝の悲しみ、苦しみは深かった。

だが、簡単に行くわけがない
事無かれ主義のような
市や国の対応に
腹立たしさや訝りがあった。

市や県が無駄なら
昔を生きてきた
年配の先輩達の意見を受け
幼稚園の建設を行なった。

安全で花溢れる園が
完成した。

受け入れも
市役所なんか通さない
一人一人面談して
決めさせて頂く。

沢山の方から希望を
受けたが、輝は、園の方針で
進めた。

園の毎日は
子供や先生、保護者の
笑いがたえない。

そんな園で
今日、絵美は輝と結婚する。

トラウマになり
自暴自棄を起こす絵美を
園に連れていき
抱き締める。

お互いに顔さえも
知らなかった二人なのに。

今、絵美は
事務の補助を行いながら
子供達や保護者と接している。

絵美のご両親も
二人を温かく見守っている。

絵美は、本当に幸せだった。
自分を見捨てなかった両親
こんな私を心配してくれた
輝に。
感謝と言う言葉では
表せないほど。

二人は、いつまでも
沢山の子供達に
笑いと楽しい未来が
届きますように
と、祈るばかり。
              おわり
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