私たちの笑顔
「もう19時だ…帰るか?」

「そうだね」


多分…外は真っ暗だろうな…。

窓も何もない部屋からは外の様子など確認できない。


和明と手を繋いで部屋を出た。


「今日の由美は激しかったな…」


エレベーターで和明がぽつりと呟いた。


恥ずかしいじゃん…。


「和明はいつも激しいけどね!」

「言ったなぁ!?次はもっとすごいのをやってあげるから覚悟しとけよ!」


和明が笑いながら私の頭を撫でてくれた。

少年のようなかわいい笑顔で…。



エレベーターを降り、ロビーを通って外に出た。


真っ暗な空からは真っ白な雪が舞っていた。
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