君にたくさんのありがとうを
次の日の朝、学校の最寄り駅で神代くんの姿を見つけた。
神代くんは何かを待っているようで、キョロキョロと周りを見渡していた。
そして、私と目が合う。
その瞬間、目をキラキラとさせて、こちらへとやって来た。
「おはよ、詩織」
「おはよ、神代くん」
「何か待っていたんじゃないの?」
私にはそう見えた。
「詩織を待ってたんだよ」
「え、私……?」
まさか私を待っていたなんて、思ってもいなかった。
てっきり、鎌田くんとか友達を待っているのかと思っていた。
「そう。朝早く来たけど詩織の姿なくてさ、まさかと思って待ってみたんだ」
「そうなの?」
テスト期間中は勉強のために2本くらい早めの電車で来ていた。
いつからか神代くんもその時間に合わせるようになっていたわけだけれど。