君が特別な理由
1.

提出期限を守ってくれない彼。




「松倉くん、いるかな」

授業が全て終わり、部活動で賑わう放課後。

私はある人物を探して校内を歩き回り、最終的にその人物が所属する部活の活動場所である弓道場に前に辿り着いた。


橋本 七香(はしもと ななか)。高校2年生。

この秋から生徒会の役員になった。役員選挙に出て当選し、憧れの女子生徒会副会長になれたのだ。

忙しく過ぎていく毎日。気付けば役員に任命されてから2ヶ月が経っていて、役員としての自覚も出てきたところ。

それはきっと他の役員になった人も同じだろうと思っていた。だけど、いつも提出物の期限を守ってくれない人がいた。

それは美化委員長の 松倉 (せい) くんだ。


今までは期限を守らなくても、次の日には必ず出してくれたから良しとしていた。だけど期限というのは守るためにあるものだ。

そろそろ松倉くんとちゃんと話をしないといけないと思い、今日は探しに来たのだ。

しかし探しに来たのは良いものの、初めて訪れる弓道場を前にして、どうしたらいいのか考えていた時のことだった。


「あれ…、橋本さん?」

「あ、松倉くん!探していたんだ」

後ろから名前を呼ばれ振り向くと、その声の主はまさに私が探していた人物だった。

こうして二人きりで話すのは初めてだからか、目を丸くしてこちらを見ている松倉くん。

そんな弓道部の松倉くんは既に道着に着替えており、初めて見る彼の道着姿は、制服の時の印象とはガラッと変わって、とてもかっこよかった。






< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

君と乗り越えた時
紗和/著

総文字数/16,836

恋愛(純愛)42ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「これだけは覚えていて。 今も、今までも、この先の未来も 俺は莉乃しか愛したことはないし愛せない。」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 「私はあなたの過去も、 全部、受け入れて愛していきたい。 あなたの優しさ、弱さすら、愛おしいよ。」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ずっと一緒にいると誓った。 何があっても離れないと誓った。 必ず夢を叶えると誓った。 増えていく二人の約束…。 私たちなら絶対に大丈夫。 あなたのことを心から信じているから。 何があってもあなたとなら 乗り越えていけるって、信じているよ。 隠していた想いを伝える時 最終章           君と乗り越りこえた時 テーマ ... 赤い薔薇 あなたを愛しています
隠していた想いを伝える時
紗和/著

総文字数/4,697

恋愛(純愛)8ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「 莉乃は、何も知らずに、 俺の隣で笑っていればいいよ 」 彼氏に振られて、傷ついた私に 手を差し伸べてくれた彼は、 とびっきりの愛で私を包み込んでくれた。 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 「 俺たちは、別れさせられたんだ。 全部、あいつらの仕業だったんだよ 」 だけど、信じていた 彼のことがわからなくなって…。 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 「 全部、知ってたよ。 知ってて、騙されたフリをしてたんだよ 」 私は、自分の気持ちを隠すために わざと騙されているフリをして守っていた。 結局、誰も守ってはくれないのだから 自分のことは自分自信で守って 自分の気持ちは言わずに隠して…。 私はずっとそうやって 生きていく、つもりだった……。 ーー 隠していた想いを伝える時 ーー ⋆⸜ エリンジウム ... 秘めた恋 ⸝⋆ ⋆⸜ comment review special thanks ⸝⋆ チョコ様 . チャマ様

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop