離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
私は決意を固めて席を立った。本当は写真を見せられたときから自分がこの決断をくだすことがわかっていたように思う。
(私が身を引こう)
とはいえ、私と桔平さんが別れてしまうと慶一郎おじさんの立場が危うくなることは確実だ。彼は社長の地位に執着はないと言っていたけれど事前に話はしておくべきだろうか。そんなふうに考えながらファミレスを出て空港に向かっていたらタイミングよく慶一郎おじさんから電話があった。
「はい、美紅です」
『あぁ、いきなり悪いな。今日は仕事か?』
「うん、これから出勤。どうしたの?」
『いや……仕事のあとで少し時間を取れないか? 美紅に話したいことがあって』
言いよどむような口調だった。話しづらいことなのだろうか。でも声のトーンから察するに悲しい報告というわけでもなさそうだ。私は首をひねりつつ返事をする。
「今日はちょっと遅いけど、それでもよければ慶一郎おじさんのところに行くよ」
(私も話をしたかったしちょうどよかった)
空港からなら彼の家のほうが距離的には近いのでそう負担でもない。私の返事に彼は安堵の声を出す。
『ありがとう。あんまり遅いようなら迎えに行くから連絡して』
「もう社会人ですから。大丈夫よ」
(私が身を引こう)
とはいえ、私と桔平さんが別れてしまうと慶一郎おじさんの立場が危うくなることは確実だ。彼は社長の地位に執着はないと言っていたけれど事前に話はしておくべきだろうか。そんなふうに考えながらファミレスを出て空港に向かっていたらタイミングよく慶一郎おじさんから電話があった。
「はい、美紅です」
『あぁ、いきなり悪いな。今日は仕事か?』
「うん、これから出勤。どうしたの?」
『いや……仕事のあとで少し時間を取れないか? 美紅に話したいことがあって』
言いよどむような口調だった。話しづらいことなのだろうか。でも声のトーンから察するに悲しい報告というわけでもなさそうだ。私は首をひねりつつ返事をする。
「今日はちょっと遅いけど、それでもよければ慶一郎おじさんのところに行くよ」
(私も話をしたかったしちょうどよかった)
空港からなら彼の家のほうが距離的には近いのでそう負担でもない。私の返事に彼は安堵の声を出す。
『ありがとう。あんまり遅いようなら迎えに行くから連絡して』
「もう社会人ですから。大丈夫よ」