離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
 少なくともJG航空の制服は地味顔の私より夕菜のほうが似合っていると思う。夕菜は私に顔を近づけ小声でささやく。

「だってさ、実際問題として国際線ファーストクラス乗務が多いCAは背が高い人が多いよ。もちろん公言されているわけじゃないけど会社の顔だもん。スタイルもチェックされてると思うなぁ」

 ファーストクラスの乗務をするためには社内試験に合格する必要がある。その判断基準はあくまでも実務能力のはずで〝スタイルも重要〟は夕菜の憶測だろう。

「やっぱり国際線ファーストクラスは私たちの憧れだし、生まれ持ったスタイルで有利な美紅を妬んでるんだよ。あ、チーフクラスはあえて厳しくして育てようと思ってくれてるのかもね」
「――ありがとう、夕菜」

 きっと彼女は落ちこぼれの私を励ましてくれているのだろう。

(こうやって一緒にがんばる仲間もいるし、いつまでも『身長採用』と笑われないようにしっかりしなきゃ!)

 前向きで明るい夕菜に会うと、いつも自分の気持ちも明るくなる。

「夕菜、ファンデーション変えた?」

 彼女はすっぴんでも驚くほど綺麗な肌をしているけど今日は特に美しい。艶々して内側から発光しているみたいだ。

「そうなの! いつものブランドから出た新作、オススメだよ~。今日はチークも新しいやつなんだ」

 といっても、メイクには厳しい規定があるのであまり自由なアレンジは認められていない。
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