離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
 彼女の身長は百六二センチ、私は百七十センチだ。CAは高身長の人も多いが、それでも百七十センチをこえていると結構目立つ。

「けど、今は昔と違ってアームリーチの条件も緩和されているしCAとして優れた点にはならないよ」

 今でも〝CAは高身長でないと受からない〟と思っている人は多いようだが、最近の事情は少し違う。国内の航空会社は身長ではなくアームリーチと呼ばれる腕の長さをチェックしているケースが多い。このラインに手が届けばOKという判断基準だ。
 最近はフットステップなどの設備も充実しており昔と比べれば小柄なCAも増えている。同じような話だとパイロットの視力に関する条件も以前より緩和された。高性能なシステムが導入され目視に頼らなくてもよくなったからだと言われている。

「今日も先輩たちに『大きいぶん、とろいのが余計に目立つ』とはっきり言われちゃったし……」

 私にとってこの高身長はコンプレックスの種だ。

(中学校のフォークダンスでは男の子たちに嫌がられたし、かわいい服はことごとく似合わないしなぁ)

「それ、絶対にやっかみ半分よ」

 夕菜は眉根をひそめて言う。

「やっかみ? 誰に?」
「もちろん美紅によ!」

 キョトンとする私に夕菜が解説してくれる。

「やっぱりCAの制服は背が高いほうが似合うもの。海外のCAたちと並んでも美紅のスタイルなら見劣りしないし!」
「そうかなぁ?」
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