夢から始まるホントの恋
リビングに向かうと、お母さんがキッチンで私の弁当を作ってくれていた。
「おはよう」
私が挨拶すると、お母さんはにっこりとした笑顔でおはよう、と返してくれた。
「う〜、眠い…」
軽く目を擦りながらダイニングテーブルに座る。
「もう…昨日遅くまで起きてたからでしょ?悪い子め〜…」
お母さんが意地悪な笑顔で言った。

朝飯は卵を食パンにのせて焼いた、お母さんが作った簡単なものだった。単純なパンだけど、これが結構美味い。
食パンの上にちょこんとのせられた卵が、焼くと蕩けて口に入れる度に卵がじんわりと広がる。

「ん〜…」
思わず感嘆の声が漏れる。
ダイニングテーブルに座っていた私は、脚を二、三回パタつかせた。

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