夢から始まるホントの恋

忘れたい

「…ん」
気がついたら授業中に寝てしまっていた。これもまた夢なんじゃないかと思い、頬をつねった。痛い。
「…わっ」
頬杖をついていた肘が机からガクッと落ちて体が倒れそうになった。慌てて座り直す。
「なんだ?どうした川合」
谷口が教科書片手に聞いてきた。クラスの視線が一気に私に集まる。
「あ、いや、ペンを落としてしまって」
適当過ぎる嘘を言ってしまった。大丈夫かこれ。
「…そうか。」
谷口が単純で助かった。
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