「お嬢さんを俺にください!」
めぐる季節

新年3日目



「明日、俺バイト休めたから
大家さんの施設に遊びに行ってみる?」



「行きたい!」



「レーニャが来たら
大家さん喜ぶだろうな…」



昨日は俺がバイトに行ってる間に
レーニャがおでんを作ってくれて
ふたりでお腹いっぱい食べた



なんでこーなってるか…



レーニャを誘拐したから



そんな言い方は大袈裟だけど

レーニャの家には
友達から連絡を入れてもらった



新学期が始まるまでには絶対帰るから
探さないでって



ちゃんと返す

悪意無い誘拐



「大家さん元気かな?
楽しみすぎて眠れない」



レーニャがベッドの中から言った



「そんなこと言って
レーニャ昨日もすぐ寝てたよ」



「だって…」



レーニャはベッド

俺は大家さんからもらったソファーで寝てる



「レーニャ気持ちよさそうに寝てたよ
ゆっくり眠れるなら、よかった
ホントに帰らなくていいの?」



「うん、帰らないよ
今日はユーヤがベッドで寝る?」



「いや、俺はこのソファーでいいよ
気に入ってるし…」



スー…スー…スー…



もぉ寝息が聞こえてきた



レーニャの寝顔を覗いたら
幸せそうだった


俺もレーニャといると幸せ



そっとレーニャの頬に触れた

頬…鼻…唇…

指でなぞった



スー…スー…スー…



レーニャ…



普通にキスしたくなる



なるだろ

なるよ



葛藤



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