略奪女子ネット村
踊り場で/放課後





放課後…


掃除当番を済ませると、マユリは約束の場所に直行した


”信じられないほど順調だわね。これからはステップ2か…”


マユリは”略女サイト”の攻略レクチャーに沿って、着実にステップを踏んでいたが…


内心、そんなにうまくいくのかなという不安はあった


決して安くない”投資”が、せめてしょっぱなであっけなく無駄になりませんように…”


これが彼女の偽らざるざる気持ちであった







最上階の階段の踊り場で待つこと15分…


階段を走る靴音がマユリの耳に届いた


そのはじける疾走音は、次第に大きくなってくる


それの比例して、彼女の心のときめきの鼓動も…


明らかに誰かが階段をかけ上ってくる音だった


”カレかな…”


間もなく踊り場にたどり着いたのはまさしく、その”彼”だった







「待ったか?」


「そんなでもない」


マユリはチラッと階段の下に目をやった


一応、他に誰か連れていないか、無意識にチェックしていたのだ


しかし、それは無用な心配だったようだ




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