略奪女子ネット村
更なるステップへ/涙





「あれ、ケガとか病気とかしないようにとかのお守りなんかじゃない。だからまず、この前私は野上君に嘘をついてる。それから、あのピースの形、私もそう言う想像はしたよ、やっぱり、それで…」

ここでマユリは動悸が激しくなり息が続かず、一旦言葉が断った


「ゆっくりでいい…。恐がることもない。最後まで聞くからよ」


「うん、ありがとう…。じゃあ、ちょっと頭、整理するから…」


マユリの両目からは涙がこみ上げてきた






彼女が話を始められるまで、2分近くかかった


その間、ヒサシは何も言わず、待っていた


いたずらに表情を変えることなく…


マユリは俯いてハンカチで目を当てていたが、彼の視線ははっきり感じていた


「…あのお守りって言ったもの、私の略奪願望を叶えるための物よ。あなたを”彼女”から奪う願掛けのお守りよ。そう言うことよ」


マユリはまだ下を向いていた


「…子供だましだろうけでど、私は真剣だった。憧れてたあなたがああいうキッカケで、私の心の中に入り込んできちゃんたんだもん。私、本気であなたを略奪する気でいたわ。これが答え…」


ここでやっと顔を上げ、彼の目を見ることができた


数分の間に、マユリの目に映る彼の顔はさっきと変容していた


それは彼女の目から湧いた涙によってであったかも…






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