あいつらの復讐

恐怖の連鎖

夜中の3時でした。
うつらうつらしたのですが、痛みもあり眠れない。

それに、いつもそばに寝ている、猫がいないのです。

おかしいな、
と思いながら、猫をどこかに閉じ込めてしまったのかと
探しにいきました。

以前も押し入れに閉じこめて、
一晩、ニャーニャー泣かした事があったからです。

台所の電気をつけて、
水を飲んで、ふと気がついたのです。

お風呂場と脱衣所の電気が、つけっぱなしであったことに。
電気代が高騰する折、
節電に努めねばなりません。

脱衣所を開けた瞬間、

ブーーーーン、ブーーーーン、

えええええええええええええ、

これって、ホラーでしょう。
スズメバチがもう一匹、
天井を旋回しています。

心臓に、冷水をぶっかけられた感じです。

もう一匹、別の奴が潜んでいたのです。
次の復讐の機会を、うかがっていたのかもしれません。

時折、バチンと音がして、
壁や天井に体当たりを、かましています。

脱衣所を殺虫ガス室にしたのに、
まだ生きている奴がいるとは・・・

なんという恐るべき生命力!!

驚嘆するまえに、夜中3時の恐怖です。

それも、ほっとするのも、つかの間、次の恐怖がやってくる・・

これこそ、恐怖映画の王道ではないですか。
これはノンフィクションですがねっ!!!

今度はゴキブリ駆除のスプレーを、引き戸の隙間から
ずー----っと、スプレーしました。

それから、引き戸を占めて、
その前で、息をひそめ様子を伺います。

バチン、バチン

あいつが壁に体当たりしている音が、聞こえます。
苦しいのか、復讐できなくて、悔しがっているのか、
次第に音が小さくなります。

おまえらは、皆殺しなんだよ・・・・
合計3匹、
殺した私は、無表情で、引き戸から離れました。
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