溺愛執事と極上生活
「え…////名高さん?」

「風葉様は“絆”と言う言葉の本当の意味をご存知ですか?」

「え?本当の、意味?」

「“絆”と聞くと“強い信頼関係”と思いがちですが…………
本来は、違うんですよ?」

「え……?」

「それはね━━━━━」
毅登が口を、風葉の耳元に寄せる。

「ひゃっ…////名高…さ…/////」

「“犬や馬などを繋いでおくための綱”のことを指す言葉なんですよ?」
「え?」

「放れていってほしくないものを繋ぎとめておくという意味なんです。
だから━━━━━━
僕と風葉様は、簡単には放れられない。
覚えておいてくださいね………!」

毅登は妖しく笑っていた。



それから毅登が、一度風葉の部屋を出ていき、風葉は一人で動悸がしていた。

耳元で囁かれた言葉と、妖しい毅登の笑顔が頭から離れないのだ。
ドキドキが、止まらないのだ。

「これから、心臓持つかな…私…(笑)」

そしてふと壁にかかったジャケットに目が行く。
「あ、これ…」

美間には、明日本人に渡せと言われた。

「もしかして、名高さんのジャケット?
…………んなわけないか!」

とりあえずもう一度美間を呼び出し、持ち主を聞こう。
そう思い、スマホを取り出す。

『はい。風葉様、どうされました?』
「ジャケットなんですが……」

『はい。渡せましたか?』
「え?渡すも何も、持ち主が誰か……」

『フフ…では、その持ち主を部屋に寄越しますね』

「━━━━━へ?」

数分後━━━━━━━
ドアがノックされる。

「はい、どうぞ!」
「失礼致します」

「え?名高…さん?」

「はい。
風葉様、お呼びですか?
直接、僕に連絡していただけたら、いつでも何処へでも駆けつけますよ?」

「………」
毅登を見上げ、風葉は悶々と考える。

あのジャケットは、名高さんが……?
でも、なんで?
あの場所は、主人に仕えてる執事しか来れないとこだよね?
え?私が主人だから?
いやいや……昨日の段階では、私はまだ主人じゃないし。

「風葉様?」

「名高さん。このジャケット、名高さんのですか?」

「あ…はい」
ジャケットを毅登に見せると、ゆっくり頷いた。


「どうしてですか?あそこには、昨日の段階では名高さんは入れないですよね?」
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