溺愛執事と極上生活
「ど、ドキドキする…/////」

風葉は、着替えてソファに腰掛け緊張していた。

毅登が来るってだけなのに、妙にドキドキして手が震えていた。
「手に汗が……
えー、なんでぇー」

ハンカチで手を何度も拭き、なんとなく窓の外を見る。
窓に自身の顔が映り、強張っているのがわかった。
慌てて自分の頬を両手で包み込む。

そこへ、ドアのノックの音が響いてきた。

「は、はぃぃ!」
緊張で、声がひきつる。

するとカチャとドアが開き、微笑んだ毅登が入ってきた。
「失礼致します」
丁寧に頭を下げる、毅登。

「ど、どうぞ」
「はい」

風葉は、窓際からソファへ移動し腰掛けた。
毅登が風葉の足元に跪き、見上げた。

「こんな夜更けに、申し訳ありません」
「い、いえ…/////」

「お洋服、薄くないですか?
湯冷めしますよ?
何か、羽織った方が……」
毅登は立ち上がり、デスクチェアにかかっていたカーディガンを取った。
そして、風葉の肩にかけた。

「あ、ありがとう…ございます…////」
「いえ!風葉様が、風邪でもひいたら大変ですから!」

「………/////あ、あの、それで、どうしたんですか?」


「はい。
風葉様に、お伝えしておきたくて……」

「はい」

「このピアスの意味、お教えしましたよね?」
毅登が、自身のピアスに触れながら言う。

“犬や馬などを繋いでおくための綱”
“放れていってほしくないものを繋ぎとめておくという意味”

「はい。覚えてますよ」

「━━━━━━僕は、貴女を絶対に放しませんから!」

「え?名高さん?」

「言いましたよね?
“一目で、心が奪われた”と。
それは、単なる風葉様をご主人様としてではありません」

「え………」

「僕は、貴女を一人の女性として愛してます……!」

毅登の言葉に、風葉は両手で口元を覆う。
そして瞳があっという間に潤んだ。

「………っ…」
「風葉様、抱き締めていいですか?」

「………」
両手を広げ微笑む毅登に、風葉はゆっくり頷いた。

風葉の隣に腰掛けた毅登が、風葉を抱き締めた。
風葉も、毅登の背中に腕を回した。

「風葉様。
これは、僕の告白に同意してくれたって事ですよね?」
風葉は、毅登の腕の中からゆっくり顔を上げた。

「はい。
私も…名高…さんが、好きです……!」

風葉の告白に、毅登は微笑み風葉の口唇をなぞった。


「キス……ここに、キスしていいですか?」
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