溺愛執事と極上生活
羨望
「うーん…誰の?」

屋敷の自室で、ジャケットを広げ首をかしげる風葉。

昼休みに目を覚ますと、ジャケットがかけられていた。
どう見ても、執事科の人間のジャケットだ。

執事科に行こうにも全く時間がなく、しかたなく持って帰ってきたのだ。

「と、とにかく!美間さんに言って、クリーニングを……」

美間を呼び、事情を説明する。
すると美間は、意味深に微笑み言った。
「大丈夫です。
すぐに、持ち主はわかると思いますよ!」

“明日、持ち主に渡してください”
そう言われ、ハンガーにかけてブラシでといたのだった。


次の日。
学校は休みで、朝食後自室で美間の淹れた紅茶を飲んでいると……

美間のスマホがなり、通話を終えた美間が風葉に言う。
「旦那様が、お呼びです」


喜一郎に呼ばれ、部屋に向かう。
「お祖父様、失礼致します」
「ん。
そこ、座れ」
向かいのソファに腰かける。

そして後ろにいた喜一郎の執事に、目ふせする。
すると執事が、風葉の前のテーブルに小さな箱を置いた。
「風葉様、こちらを…」

「え?これは?」

「ピアスです」
「え?
これ……」
(芥田神の家紋…
…………ってことは…まさか!!?)


「失礼致します!」
そこにタイミング良く、一人の男性が丁寧に頭を下げ入ってきた。

「え……」

男性は、風葉の足元に跪く。

「初めまして!風葉様。
今日から、身の回りの全てをお世話させていただきます………………」

(え………う、嘘………)

「名高 毅登です!
よろしくお願い致します!」
そう言って風葉の手を優しく取り、手の甲にキスを落とした。


「……/////」
あっという間に風葉の顔が赤くなる。

「風葉様?
あ、もしかしてお嫌でしたか!?
申し訳ありません!」
手の甲にキスをしたのが、気に入らなかったと思った毅登。
慌てて、深く頭を下げ謝罪する。

「い、いえ…////ごめんなさい。
違うんです。
あの私、執事をお願いしたつもりは……」

「━━━━美間に聞いたぞ」
そこに、喜一郎が風葉を見据え言ってきた。

「え?」
「名高の写真を見て“こんな人だったらいい”と言ったそうじゃないか!」

「あ、いや、その…/////
でも、名高さんはご迷惑じゃ……」


「とんでもございません!
とても、光栄なお話です!」
毅登は、風葉の手を両手で包み込むように握り直した。
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