君と私の秘密

夏休み

「えーでは、これで終わります。
明日から夏休みですが、事故などには気をつけ過ごしてくださいね。では、さようなら。」

さようなら〜!

と、皆教室から出ていく。

そう、明日から夏休み!

待ちに待った長期休み!

最高!何しようかな〜?

私はルンルンで下駄箱に向かった。

下駄箱に着くと凄い勢いで真樹が寄ってきた。

「みぃ!」

え!?なに!?

「ど、どうしたの!?そんなに急いで!?」

何かあったのだろうか?

「夏休みの思い出作りってことで、一緒に海行こうぜ!」

へ?

思い出作り?海?

えっと…。

「真樹…誘ってくれたのは嬉しいんだけど…
私、泳げないんだよね。はは…。」

そう、私は泳げないのです。

ごめんね。真樹。

困った顔をしていると真樹はニカッと笑って、

「そんなの問題ないぜ!俺が浮き輪買ってやるよ!
そしたら溺れないだろ!」

と言い放った。

はい!?買ってやる!?

いやいや、申し訳なさすぎる!

それなら自分で買って入ればいい話だ。

「わかった。浮き輪は自分で買って入るから、いいよ!行く!」

「まじ!?やったー!」

なんか、めちゃくちゃ嬉しそう。

まぁ、喜んでもらえて良かったよ。

「ちょっとー!何2人で盛り上がってんのよ!
私もまーぜて!」

「うげ!?咲恵!?」

「なんなのよ!その嫌そうな態度わ!」

あからさまに嫌そうな顔をした真樹に

咲恵は鋭い突っ込みをいれた。

「まぁまぁ咲恵。実はね…。」

海に行こうとなったことを咲恵に話た。

「海!?私も行きたい!てか行く!」

「えー…お前も来んのかよ。」

「いいじゃん!多い方が楽しいし!」

「はいはい。」

嬉しそうな咲恵とは対照的に嫌そうな真樹。

そんなに咲恵が嫌いなのかな?

仲良さそうなんだけどなぁ。

「ねぇ、俺も行く。」

そんなことを考えていたら突然後ろから声が。

だ、誰!?

「はぁ!?秋羅も来んの!?」

「うん。俺も行く。」

ニッコリと秋羅は微笑んだ。

真樹はまたも、まじかよ…。と頭を抱えた。

「あ!せっかくいつメンになったんだし、零斗君も誘おうよ!」

「「え…。」」

咲恵の提案に私と真樹の声が見事に被った。

「いいねいいね。賛成。」

秋羅はなんだか楽しそう。

秋羅…ちょっとは否定しなさいよ。

別に零斗君のことが嫌いとかそんなんじゃないんだけど、やっぱりなんだか少し苦手んなんだよね。

「あ、零斗君ー!」

咲恵が手をブンブン振っている方に目を向けると、

下駄箱に向かって歩く零斗君の姿が目に入った。

「あん?なに?」

「夏休みに5人で海行くよ!」

「は?悪ぃけど俺パス。」

零斗君!ナイスお断り!

「何言ってんの!拒否権ないよ!強制参加です!」

ちょっと!?咲恵!?いたずらっ子みたいな顔で何言ってんのよ!

零斗君、負けるな!断れ!

「まじかよ…。分かったよ。」

ちょっと零斗君ーーー!

「「「はぁ…。」」」

真樹、私、零斗君。

3人は深いため息をついた。

楽しみなんだ違うんだか…。

もうよくわかんなくなってきた。

けど、せっかく行くんだし楽しまなきゃ!

海に行くのは8月上旬。

それまでにいるものそれえなくちゃ!

どうか何事もなく楽しく終われますように!
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