やっぱり…キスだけでは終われない

夕飯を食べ終えるとホテルにもう一度戻り、彼の車に乗り家まで送ってもらうことになっていた。

途中「寄り道していいか」と聞かれ頷いた。連れてこられた場所は品川辺りになるのだろうか、いくつもの高層ビルが立ち並ぶところ。そこに彼の住むマンションがあった。

最上階が見えないくらい高いタワマンを見上げ「…ここ?…」と渋い顔で呟いてしまった。

「あぁ。カナって、もしかして高いところ苦手?」

「はい…。耳がおかしくなるので…。あの、エレベーターがあまり得意ではないです」

「そうか。高いところだとエレベーターも高速になるからな。じゃあ、下で待ってて」

「一緒に行かなくていいんですか?」

「部屋に連れていったら帰したくなくなるし、ちょっと取ってくるだけだからいいよ」

コンシェルジュに挨拶して彼だけがエレベーターに乗っていった。私はエントランス横にある応接スペースで彼を待っていると、本当にすぐに戻ってきてくれた。
< 10 / 47 >

この作品をシェア

pagetop