やっぱり…キスだけでは終われない
夕飯を食べ終えるとホテルにもう一度戻り、彼の車に乗り家まで送ってもらうことになっていた。
途中「寄り道していいか」と聞かれ頷いた。連れてこられた場所は品川辺りになるのだろうか、いくつもの高層ビルが立ち並ぶところ。そこに彼の住むマンションがあった。
最上階が見えないくらい高いタワマンを見上げ「…ここ?…」と渋い顔で呟いてしまった。
「あぁ。カナって、もしかして高いところ苦手?」
「はい…。耳がおかしくなるので…。あの、エレベーターがあまり得意ではないです」
「そうか。高いところだとエレベーターも高速になるからな。じゃあ、下で待ってて」
「一緒に行かなくていいんですか?」
「部屋に連れていったら帰したくなくなるし、ちょっと取ってくるだけだからいいよ」
コンシェルジュに挨拶して彼だけがエレベーターに乗っていった。私はエントランス横にある応接スペースで彼を待っていると、本当にすぐに戻ってきてくれた。