やっぱり…キスだけでは終われない

その日は私にとっての出会いの場で、柾樹にとっての再会の場である横浜でデートした。

あの日、美術館で私が父の絵を見ていたところに柾樹もいたらしく、その時のことを教えてくれた。

「あの時にすごくカナのことが気になってさ。今思えば一目惚れだったんだろうな…それと同時に懐かしさを感じていた」

「あの時…って?」

「真剣に絵を見ていたカナを見つけた時。それで外に出たらナンパなんてされてるから、焦ったよ」

「あ…。そ、そうだったんですね。見られてたなんて知らなくて…」

「助けられて良かったよ。でも、あの時は時間がなくてさ。シンガポールで再会した時も、連絡先を先に聞いておけば良かったのに、って後悔ばかりしてた」

「いろいろ…ごめんなさい…。それと、私のこと見つけてくれて…ありがとうございます」

「本当に見つけられて良かった」

肩に腕を回して抱きしめてきたので、柾樹の方を向くと唇に軽く触れるだけのキスをされた。

「んん…。もう、ここ外です…」

顔を赤くして俯いたところで、手を握られ再び歩き出した。
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