色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅲ
仕事始まり
王族の関係者が住む村は3つほどあり、
A村、B村、C村だと仮に名付けて。
私はA村に住んでいて、そこから馬車に乗って王族の宮殿近くまで行き、
馬車を降りて歩いて、講堂まで行くことになっている。
引っ越した翌日、王族の方にピアノを教えることになっていた。
てっきり、宮殿まで行くのかなと思っていたけど。
それは、さすがに甘い考えで。
宮殿に入ることは出来なかった。
王族が使用している講堂でピアノを教えるらしい。
ジャックさんに地図を書いてもらって、それを頼りに歩いているのだけれど。
一向に、講堂に辿り着けない。
一本目を左って書いてあるけど、多分、一本目を間違えて奥に進んでしまったみたいだ。
誰かに道を訊こうにも、誰一人歩いていないし、
さっきから同じ風景で目印がない。
何で、看板ないのかなあ?
だんだん、待ち合わせ時間が迫ってきて、額から汗が噴き出してきた。
初日から遅刻なんてしたら、クビ確定じゃないか…
どうしよう、どうしよう…
焦っているところに、甘い匂いがよぎった。
花の匂いだ。
ええいっと走って木々をすり抜けると、目の前には一面の薔薇が咲いていた。
残念ながら、人の気配はない。
ピンク、赤、白、黄色・・・
色鮮やかな薔薇はあまりにも立派で、「すごい…」と声を漏らす。
「そこで、何をしている」
低い、男性の声にビクッと声を震わせて振り返った。
「わっ」と驚くと、相手の男性も私を見て「あっ」と声を漏らした。
A村、B村、C村だと仮に名付けて。
私はA村に住んでいて、そこから馬車に乗って王族の宮殿近くまで行き、
馬車を降りて歩いて、講堂まで行くことになっている。
引っ越した翌日、王族の方にピアノを教えることになっていた。
てっきり、宮殿まで行くのかなと思っていたけど。
それは、さすがに甘い考えで。
宮殿に入ることは出来なかった。
王族が使用している講堂でピアノを教えるらしい。
ジャックさんに地図を書いてもらって、それを頼りに歩いているのだけれど。
一向に、講堂に辿り着けない。
一本目を左って書いてあるけど、多分、一本目を間違えて奥に進んでしまったみたいだ。
誰かに道を訊こうにも、誰一人歩いていないし、
さっきから同じ風景で目印がない。
何で、看板ないのかなあ?
だんだん、待ち合わせ時間が迫ってきて、額から汗が噴き出してきた。
初日から遅刻なんてしたら、クビ確定じゃないか…
どうしよう、どうしよう…
焦っているところに、甘い匂いがよぎった。
花の匂いだ。
ええいっと走って木々をすり抜けると、目の前には一面の薔薇が咲いていた。
残念ながら、人の気配はない。
ピンク、赤、白、黄色・・・
色鮮やかな薔薇はあまりにも立派で、「すごい…」と声を漏らす。
「そこで、何をしている」
低い、男性の声にビクッと声を震わせて振り返った。
「わっ」と驚くと、相手の男性も私を見て「あっ」と声を漏らした。