色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅲ

衝撃の真実

 薔薇園に来るのは、いつ以来だろう?
 四季のないティルレット王国は年中、美しい花が咲き乱れている。
 そっと、歩いていくと。
 ローズ様は立って遠くを眺めていた。
 いつもは騎士団の制服を着ているのに、
 今日は王様らしい格好をしていた。
 白い生地に金色の刺繍をあしらった服。
 肩から地面にかけてのマントは白ではなく真っ赤な色をしていた。
 王冠は付けていなかった。
 金色のサラサラの髪の毛がなびく。
 女性のような美しい顔立ち。
 白い肌。
 青い瞳。
 初めて会ったときは、少女漫画に登場する王子様そのまんまだと思った。
「蘭が頭を下げてきたときには、流石に驚いた。ああ見えてあいつはプライド高いからな」
 こっちを見てもいないのに、ローズ様は私に気づいた。
 美しい横顔をもっと見ていたいと思った。

 近づくと、ローズ様からは良い匂いがした。
「お久しぶりです。お会いできて光栄です」
 蘭様には、ローズ様への謁見を頼んだ。
 忙しい方だ。
 会える時に会って、確認はしたほうがいいと思った。
「ずっと、ローズ様に会って確認したいことがあったんです」
 じっとローズ様の顔を見る。



「私は、ローズ様の大切な方に似ていらっしゃるのですね?」



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