色褪せて、着色して。Ⅲ~悪役令嬢、再生物語~
 ローズ様は絵画から目を離す。
「誰に聞いた?」
「誰にも聞いてません。ルピナス様が泣いているのを慰めていた時のことを考えていたんです。現状だとルピナス様が王位継承者となってしまって重圧を与えてしまっていることを話して頂いた時、なんというか…ご結婚したい方がいらっしゃるのかなって」
「女の勘は恐ろしいな。母上にそっくりなだけはある」
 ローズ様は笑うと、ゆっくりと歩き出した。
「国王になる人間は他国の姫君を結婚相手として迎える決まりがある。だから俺は昔から色んな国の女とお見合いをしてきた」
「強制結婚じゃないんですね」
 ローズ様は立ち止まった。
「俺にも選ぶ権利はある」
 これだけの美男子なんだから、誰もが放っておかないだろうなあ。
「一年前、とある国の姫君とお見合いをした」
「じゃあ、その方ですか?」
「いや、姫君の妹に惚れた」
 惚れた…という言葉に思わずニヤニヤしてしまう。
 ローズ様と恋バナしちゃってるよ。
「妹様だと何か問題があるんですか?」
「ああ、問題があるから今、こうして一人ってことだ」
 宮殿を出ると、目の前に噴水がある。
 2人で噴水を見た。
「…奪っちゃえばいいのに」
 口から零れ出た言葉に、ローズ様はぎょっとしてこっちを見た。
「ローズ様なら不可能ではないでしょ?」
「綺麗な顔して、すげーこと言うな」
 ローズ様は私をじっと見た。
 この人と似ているのだろうか?
 単純に金髪に青い目だから似ているように見えるだけじゃないのかなあ。

 黙って見ていると、ローズ様は「アハハハ」と声をあげて笑い出した。
「さすがだな。ほんとに」
「ありがとうございま…す? なんで笑うんです?」
「イバラに会えて良かった。そうだな、その通りだ」

 それから、一年後。
 国王は、とある国のお姫様を誘拐してお妃にしましたとさ。
 私というと・・・。


 終わり…?
< 93 / 93 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

総文字数/31,547

ファンタジー51ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【マヒル】 この物語の主人公。 スカジオン王国出身。 金髪碧眼で絶世の美女。 王家近くの領地で暮らしている。 ピアニスト。 【太陽】 マヒルの夫。 国家騎士で国王の右腕。 仕事が多忙のため、 ほとんどマヒルの前に姿を 現さなかった…が…? 【バニラ】 マヒルの侍女。 桃色の髪に真っ赤な眼をしている。 実は妖精で、何でも出来る。 【トペニ】 マヒルの護衛。 チャラくてイケメン。 【スズメ】 マヒルの護衛。 堅物で非常に真面目。 【ジョイ】 国家騎士。出世して、 あまりマヒルの前に現れなかった。 いつも陽キャ全開。 【マリア】 国家騎士。出世して、 あまりマヒルの前に現れなかった。 ジョイとは違って、落ち着いている。 【オーロラ姫】 ???
色褪せて、着色して。Ⅵ~黒薔薇編~

総文字数/40,788

ファンタジー68ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【マヒル】 主人公。 金髪碧眼で美人。 ワケあって、王家の領地で暮らしている。 肩書は国王の寵姫で、ピアニスト。 【太陽】 マヒルの夫。 国家騎士団に所属。 仕事が忙しく、ほとんど家には帰らない。 マヒルとも、あまり顔を見合わせない。 【バニラ】 マヒルの侍女。 ピンク色の髪の毛に真っ赤な瞳。 家事を完璧にこなし、誰とでも仲良くなれる。
色褪せて、着色して。~番外編~

総文字数/30,943

ファンタジー49ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【スズメ】 国家騎士団頭脳班経理担当の騎士。 正義感が強く、曲がったことが嫌い。 自分がこうだと思ったら、猪突猛進。 【デイ】 国家騎士団肉体班シノビの騎士。 国王直属の部下。 【ナズナ】 秘密の館で働くお手伝いの少年。 騎士を目指していたが、ある理由で断念しまった。 お手伝いの少年達の中ではリーダー的存在。 みんなのまとめ役。賢い。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop