*夜桜の約束?* ―再春―

[最終段階!?]〈N❤M〉

「モモ……」

 凪徒はモモの(もと)へ戻り、言われた通りにじっと固まった少女の(おとがい)に触れた。

 ようやく全ての準備が整い、一から仕切り直せる気持ちがして、初めてキスした時の強引さは消し去り、優しく柔らかく口づけた。

 モモの震える全身も唇も、そのぬくもりを確かめるよう(わず)かにしか動かされない凪徒の唇に、次第に溶け込み(なご)んでいく。

 それでも長い間重なり合っていた所為(せい)か、やがて自由にされた後には、深い吐息が流れ落ちていった。

「あ、あのっ、先輩、明かり……」

 再び手の掛けられた襟元を見つめて、モモは凪徒の動きを咄嗟(とっさ)に止めた。

 こんなに晃々(こうこう)とした照明の下では恥ずかしいと思っていた。

 が、凪徒はモモの抵抗する手を退()かし、

「いやだ」

「え?」

 まるで駄々っ子のように即否定をした。


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