*夜桜の約束?* ―再春―
「全部見せろって。モモの全部、良い所も悪い所も……俺も全部見せるから」

 ──良い所も、悪い所も……

 驚いている内に幾つかのボタンが外されて、中に着ているキャミソールの胸元が露わになった。

 ──あ、あたし……そう言えば、もう寝る予定で外に出てたから、下着(ブラ)着けてない……!

 再び抗戦しようと腕を上げたが、凪徒はいつの間にかモモの寄り掛かる枕の端に顔を突っ伏し、必死に何かを(こら)えていた。

「くっ、くくっ──」

「せ、先輩?」

 明らかにそれは『笑い』であり、きっと自分の胸元を見た所為だと察せられ、モモはにわかに頬を膨らませた。

「ご、ごめんっ……俺……ずっとモモのこと誤解してたわ……」

「……え?」

 やっと笑いを止めた凪徒の顔が戻ってきて、にこやかな微笑みに変わる。


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