元カレと再共演することになりました

ラストシーン

「このシーンをもちまして、オールアップです。」

ADさんの声がスタジオ内に響いた。

私は、泣いていた。

全てのシーンを撮り終えたんだ。

久しぶりの連ドラ。

不安でいっぱいだった。

でも彼と一緒だったから乗り越えられた気がする。

正直過去を振り返ることは、辛かった。

思い出したくない過去もたくさん思い出してしまった。

でもその全てが真実ではなかったことを知れた私は、

この上ない幸せを感じたのだった。

それも全て彼のおかげ。

隣を見ると、

ヒッヒッヒッヒッヒッヒッ。

彼がしゃくりあげなら泣いている。

「ハハハハハハッハ、」

「ちょっと笑わないでよ。」

「ごめん。」

彼が泣いているのを初めて見た。

「皆さまありがとうございます。3ヶ月間、監督、プロデューサーをはじめ支えてくださったスタッフの方々のおかげで乗り越えることができました。また皆様と、ご一緒できるように精進したいと思います。」

彼がまっすぐな瞳で感謝を述べた。

「そして…」

彼が私の方へと視線を写した。

「3ヶ月間共に歩んでくれた、リサちゃん。」

彼の目には、大粒の涙。

そして見たことない程、真剣な眼差しだった。

私は、彼の目に飲み込まれそうな感覚がした。

「リサちゃんがいなかったら、この作品を完結することは、できなかったと思う。ありがとう。」

「こちらこそありがとう。」

「そしてもう一つ伝えたいことがあります。」

彼は、目の前にひざまづいた。

周りにいるスタッフたちがザワザワとしたのを感じた。

「僕今でもリサちゃんのこと愛してる。リサちゃんが今でも僕のことを思ってくれてるなら受け取って欲しい。」

彼の手には、大きなバラの花束。

「ヒューヒューヒュー」

監督が鳴らす口笛が響いた。

周りにいるスタッフたちも、

「ヒュー」

と続いた。

「ありがとう。私今もルイのこと愛してる。」

ガシッ

彼が勢い良く私をハグした。

「リサちゃん。ありがとう。リサちゃん。」

彼の鼻のすする音が聞こえた。

泣いている。

彼は、私から離れると、

左側のポケットから小さな箱を取り出した。

そしてもう一度、私の目の前に跪き、その箱をあける。

目を開けていられない程のダイヤが光っていた。

「俺と結婚してください。」

私の目には大粒の涙が伝う。

「はい。お願いします。」

すると、彼が私の薬指にリングをはめてくれた。

次の瞬間、私の視界が高くなったのを感じた。

「リサちゃん。軽いね。」

私は、笑ってしまった。

あまりにもドラマと同じ展開だった。

「ちょ、やめてよ。」

「お姫様になれた気分でしょ?」

「う、うるさい。」

「リサ、おめでとう。よかったね。」

涙をハンカチで拭う鬼塚マネージャー。

「ルイ、良かったね。幸せになるんだよ。リサちゃんも。」

祝福してくれた如月マネージャー。

「ルイ、リサ。おめでとう。今日は、祝杯じゃー。」

監督がシャンパンを手にした。

ルイが私に微笑む。

それを見て私も微笑み返した。

私は、現実でも、この世で1番幸せなシンデレラになれました。
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