僕と彼女と傷痕
献身
「━━━━━お、は、よ、風吹」
「ん…あ━━━━!!!?」

ガバッと起き上がる、風吹。
玄匠もフフ…と笑って、ゆっくり起き上がった。

「お、は、よ!」
風吹に向き直って、ゆっくり伝える。
風吹は頷き“お、は、よ、う”と口をパクパクさせた。

玄匠は、またフフ…と笑って、
「ご飯、作って、くるね!」
身振り手振りをしながら、伝えた。

寝室を出ていく玄匠。
風吹は慌てて、補聴器をつけ寝室を出た。


「御清水くん!!」
「ん?顔洗って、待ってて!
すぐ、できるから!」

「手伝わせて!」
「ダーメ!!
支えたいって言ったでしょ?
風吹をベッタベタに甘やかして、尽くしてあげる!」

「…………」


そして、玄匠の作ったホットサンドを食べる。
「ん!結構、上手くいったな!
風吹は、どう?
美味し?」

「………」
「風吹?
………風吹ちゃーん、どうしたの?」

「御清水く……いや、玄匠くん!」

「おっ!名前、呼んでくれたぁー!なんか、照れるね/////」
「わ、ワガママ言ってもいい?」

「うん、どうぞ?」
ニコニコして、風吹の言葉を待つ玄匠。

「……………や、やっぱいい…」
「えー!なんで?
何でも聞くよ?」

「何でも?」
「うん!何でも!
あ!でも!
“別れ”関係は受け付けませんので、悪しからず!」

「こ、ここに、越してきてもいい?
ど、同棲してみたいなーなんて…/////」

「え?」

「━━━━━あ!や、やっぱ、無し!!今の無し!!」
固まった玄匠に、慌てて取り消す。

すると玄匠は、無言で立ち上がった。
一度リビングダイニングを出ていき、すぐに帰ってきた。
そして風吹の前に、鍵を置いた。

「え?」
「いいよ!おいで?」

「う、嘘…」
「ほんと!」

「本当に、いいの?」
「もちろん!」

「私、冗談で言ったんだよ?」
(まぁ、半分本気だったけど…)

「冗談でそんなこと言わないでしょ?風吹は」

「へ?」

「正確には、恋人との同棲に憧れてて、でもこんな付き合ってすぐに言うのは、いくらなんでも退かれる。
でも……大好きな僕と離れたくないから、冗談っぽく言ってみたんでしょ?
それに、僕も尽くしたいとか言ってくるから、だったら……みたいな感じで、無謀なお願いしてみたって感じかな?」

「なっ…/////」
(ず、図星だ…)

「当たりかな?」
「は、はい…おっしゃる通り……(笑)」

「フフ…!
言ったでしょ?何でも聞くよ?って!
今度の休み、一緒に風吹のアパートの解約の手続きとか一緒にしよ?」

玄匠は、微笑み言ったのだった。
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