桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
(仁くんはもう!いったいどこにいるのよ?)
ここまでくると、なんだか腹が立ってくる。
ここはいったいどこなのか?
どうしてここに泊まることになったのか?
アレンは?
時差ボケもあって、もはや頭は全く働かない。
とにかく仁を問い詰めるしか、答えを出す方法はないだろう。
勢いに任せてずんずん歩いていた美桜だが、時折他の宿泊客らしき人達とすれ違うようになり、フレンドリーに、ハイ!と声をかけられるのに応えて次第に笑顔になる。
皆ドレスアップしていて、とても楽しげだ。
(うーん、この服装はさすがに浮いちゃうな)
日本を発った時のカジュアルな格好のままの美桜は、足元のスニーカーとジーンズを見下ろした。
と、その時だった。
川の流れる音に混ざって、聞き覚えのある笑い声が耳に飛び込んできた。
「仁くん!」
小さな水路のような川を挟んだ向かい側、緑の葉の間に、仁の姿が見えた。
よく見るとそこはバーのようで、仁は横長のカウンターの端の席で、バーテンダーらしき男性と談笑している。
「仁くんってば!」
もう一度大きな声で呼ぶとようやく気付き、おう美桜ちゃんと呑気に手を挙げてくる。
「おうじゃないよ、もう!」
怒ったようにそう返す美桜に仁はちょっと首を傾げ、今まで話していた相手に一言告げてから、川にかかった小さな橋を渡ってきた。
ここまでくると、なんだか腹が立ってくる。
ここはいったいどこなのか?
どうしてここに泊まることになったのか?
アレンは?
時差ボケもあって、もはや頭は全く働かない。
とにかく仁を問い詰めるしか、答えを出す方法はないだろう。
勢いに任せてずんずん歩いていた美桜だが、時折他の宿泊客らしき人達とすれ違うようになり、フレンドリーに、ハイ!と声をかけられるのに応えて次第に笑顔になる。
皆ドレスアップしていて、とても楽しげだ。
(うーん、この服装はさすがに浮いちゃうな)
日本を発った時のカジュアルな格好のままの美桜は、足元のスニーカーとジーンズを見下ろした。
と、その時だった。
川の流れる音に混ざって、聞き覚えのある笑い声が耳に飛び込んできた。
「仁くん!」
小さな水路のような川を挟んだ向かい側、緑の葉の間に、仁の姿が見えた。
よく見るとそこはバーのようで、仁は横長のカウンターの端の席で、バーテンダーらしき男性と談笑している。
「仁くんってば!」
もう一度大きな声で呼ぶとようやく気付き、おう美桜ちゃんと呑気に手を挙げてくる。
「おうじゃないよ、もう!」
怒ったようにそう返す美桜に仁はちょっと首を傾げ、今まで話していた相手に一言告げてから、川にかかった小さな橋を渡ってきた。