最強王子とフェンス越しの溺愛キス
私が首を傾げていると藤堂先輩が「ここからは俺が」と生吹くんに向かって、ストップのジェスチャーをした。
「美月ちゃん、今とても不思議だよね。そして不安だ。どうして俺たちが君の前に現れ、紹介されているのかを」
「ふ、あんは……ない、ですけど」
全くない、と言ったらウソになるけど――という私の心の揺らぎを察したのか、藤堂先輩は「大丈夫。全部説明するね」と、また笑ってくれた。
「昨日、生吹くんからSOSを貰ってね。Lunaに付きまとわれる――というのは危険と同意語だ。
生吹くんは確かに強いが、Lunaが卑怯な手を使って総動員でかかってくれば、多勢に無勢だ。まともに戦っては勝ち目はない」
「……っ」
勝ち目は、ない。
その言葉は、生吹くんと私の身の危うさを示しているみたいで。ゴクッと、思わず生唾を飲み込んだ。