最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「生吹くん……ありがとう。
その、ずっと……」
抱きしめてくれて――と言葉にするのが恥ずかしくて黙ってしまう。
そんな私を、生吹くんは笑いながら見ていた。
「俺がそうしたかっただけだから。美月の寝顔も見られたし、良い事だらけだったな俺は」
「ね!がぉ……っ」
プシューと、顔から蒸気が出るほどに恥ずかしくなる。
そして布団の中に、モゾモゾと引っ込んで逃げる素振りをした。
だけど、
グ~
「あ…」
「ん?」
くぐもった布団の中で、私のお腹の音が鳴る。は、恥ずかしすぎる……っ。
更に赤面した私を見て、生吹くんは笑いながら提案した。
「もう学校には間に合わないし。
どこかで朝ごはんを食べよっか」