最強王子とフェンス越しの溺愛キス
◇
その後、二人は各々シャワーをして身支度を終えた後。
朝ごはんを食べに外へ向かう。
「――いいよ、出て」
いつかファミレスでしてくれた時と同じように。
あるいは、その倍の時間をかけて。
生吹くんは警戒しながら、私を外に出した。
「さて、何食べたい?」
「ん~と」
十二月の寒い季節。
話す二人の口元に、白い息が出てる。
そして、
「あ~寒いよー!美月ちゃんんんん!!」
そこに加わる、もう一つの白い息。
「ひゃッ!?」
純弥先輩!?い、いつの間に私達の後ろにいたんだろう……っ?
「美月」
グッ
「え――?」
不思議に思ってポカンと立っている私とは反対に、生吹くんは素早く反応した。
目にも止まらない速さで、私と純也先輩の間に立つ。