BLACK NURSE
莉乃は拓海から離れ、ポケットからまた何かを取り出す。それはマッチだった。マッチに火がつけられる。それは、拓海に恐怖を与えるに十分だった。

「ま、待ってくれ!!自首!!警察に自首する!!だから、だから、それだけはーーー」

「さよなら、クズ男さん」

楽しげに笑いながら莉乃は拓海に向かって火のついたマッチ棒を投げる。ガソリンがついた拓海の体は一瞬にして燃え上がり、辺りに肉と髪が燃える嫌な臭いが漂っていく。

拓海が燃やされる苦痛から悲鳴を上げ、暴れる体を縛り付ける鎖がガシャガシャと先程より激しく音を立てていく。その光景を、莉乃は笑いながら見ていた。



数時間後、誰なのかもう判別がつかないほど焼き焦げた拓海の亡骸を莉乃は見た後、誰かに電話をかけ始める。

「もしもし、パパ?やっと終わったわ。パパたちがこのことは隠蔽してくれるとは思うけど、一応海外に一時期身を隠そうと思うからパスポートと荷物の用意だけお願い。じゃあ、よろしくね」
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