【短編】KISS
ミクは黙って聞いていた。

うつむいたきり、震えているように見えた。


でもやがて、しっかりと顔を上げ、あたしをにらみつけた。


「嘘だよ、信じないから」

「ミク…」

「ニイナ、あたしがうまくいってるからってあたしをねたんでるんでしょ!」


ミクは目にいっぱい涙をためたまま、カバンを抱えて走り去った。



――ごめん、ミク。あたしだってこんなこと、本当は言いたくなかったよ。





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