【短編】KISS
しばらくの間、ミクとは口を利かなかった。

お互い目もあわせずに気まずい雰囲気。



でも、ある日。

「ニイナ、ごめんね」

ミクがあたしを呼び出した。

「あたし、あれからタクミを問い詰めたの。ニイナがタクミとツバサくんが話してるの聞いてたって言ったら、あいつ顔色変えちゃって、もうほんと最悪」

「ミク…」

「結局あたし遊ばれてたんだって思ったら情けなくてさ。体だけが目的だったんだよ、ばっかみたい」

ミクは笑いながら泣いていた。

それを見ていたら、あたしももう耐えられなくて、ミクにしがみついてわんわん泣いた。

「ミク、ミク…」

気のきいたことなんかなんにもいえなくて、ただバカみたいになんどもミクの名前を呼ぶだけで。

ミクはもう何も言わなかった。

ミクもあたしのことをぎゅって抱きしめていた。
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