【電子書籍化】飼い犬(?)を愛でたところ塩対応婚約者だった騎士様が溺愛してくるようになりました。
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ランティス・フェイアードと、メルシア・メルセンヌの婚約。
ようやく両家から公表された二人の婚約は、王都でもすでに話題になっている。
「……メルシア、すごい話題になっているわ」
「え? なにが」
光魔法が使えなくなってしまったメルシアは、孤児院の手伝いをさせてもらっている。
もう、資金面の心配はないのだが、仲良くなった子どもたちとは、離れ難い。
「あなたと、フェイアード卿の婚約」
「っ……。釣り合いが取れない、とか?」
「ん〜。そういうのじゃないの。魔獣の脅威が去った後、領民たちのため、全ての私財を投げ打ち、さらに王都の民のため、治癒院で働く令嬢。そして、メルセンヌ領を愛する人のため救った騎士の電撃婚約」
「わぁ」
(……すごい盛られている感が、あるけれど、大筋間違っていない?!)
おそらくメルシアのことは、ものすごく美化されていそうだ。ランティスに、並んで立つ自信すら持てないというのに。
「…………ねぇ、どう思う? ラティ」
「ワフッ、ワフッ!」
「え、また犬と会話するの? でも、賢いのね。肯定しているみたい……。と、いうよりこの犬から、メルシアの魔力。…………あ、あれ? メルシアからもこの犬の魔力?!」
「ワフッ?!」
「え、マチルダ?」