言えないまま・・・
もくもくと食べている私を見て、優花が笑った。

「ほんと、幸せそうな顔して食べるよね。誘った甲斐があったわ。」

「もー、人が必死に食べてるのにそんなに見られたら食べにくいじゃない。さ、さ、優花も食べて!」

優花は笑いながら自分が頼んだペスカトーレを口に運んだ。

この二人がそろうと決まって恋愛の話題になっていく。

ま、私の場合もう恋愛ネタはできないんだけど。

「優花は会社にいい人いないの?」

「うん、いないわ。同じ職場なんていい年のおっちゃんばっかり。」

「そっかぁ。じゃ、合コンとか?」

「合コンって、あんまり好きじゃないのよね。合コンにほいほい来るような男もパス。」

「まぁ、そうだよね。」

少し間があった。

「そういえば、電話で相談したいことあるって言ってなかった?」

「うん、言ってた。」

優花の表情がいつになく緊張していた。

「何?なんでも言ってよ。」

そんな優花の方を見ずにパスタを口に入れた。

「あのさ。最近、一目惚れっていう体験をしたっていうか。」

「えー!?そうなの!いつ??」

思わず、手を止めて優花の顔を大きく見開いた目で見た。

「ハルの結婚式の日。」

「披露宴で、誰かいい人見かけた??誰かいたかなぁ・・・?」

私は腕を組んで考えた。

私側には、優花も知ってる顔が並んでたし、直太側の誰かかな??

「どんな人?」

「多分直太さんの親類だと思うんだけど、ちょっと長髪で背が高くって、途中で抜けていった男性いるじゃない?」

・・・。

ひょっとして、優花の一目惚れの相手って、アキのこと?
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