トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜

瞬の想い

いつの間にかウトウトしていたらしい。

ボンヤリ目を開けた明日香は、壁の時計を見る。
もうすぐ夜の8時半になろうとしていた。

(みんなどうしてるかな。収録は無事終わったかな。あーあ、最後のフェアリーテイル、見届けたかったな)

寝返りを打ってそう考えていた時、スーッと音もなく入り口のドアが開いた。

(え?何?)

暗い部屋の中、目を凝らすと、誰かが身を屈めながら後ろ向きにそーっと入って来るのが見えた。

(え、誰?なんで?何?怖い…)

思わず、ギャーと叫びそうになった瞬間、しっ!と人差し指を口に当てたその人が振り向いた。

「明日香、俺」
「だ、誰?!あ、瞬くん!」

瞬はもう一度、しーっと明日香に言ってから、ソロソロと近づいて来て、隣の椅子に座った。
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