トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜
「こんにちはー、お疲れ様です!」

紗季がそう言うと、その場にいた人が一斉にこちらを見た。

そこは写真スタジオになっていて、機材を持った男の人や、何やら話し合っている若い女の人など、10人近くいるだろうか。

「紗季さん!今日は宜しくお願いします」
「こちらこそ。宜しくお願いします」

挨拶を交したあと、紗季は後ろにいた明日香を振り返る。

「うちの新しいアルバイトの子なの。今日は見学だけど。宜しくね」
「あ、小池明日香です。宜しくお願いします」

紗季に紹介されて、慌てて頭を下げる。

「うわー、若いね!君いくつ?」
手に大きなカメラを持った男の人が聞いてくる。

「17です」
「ひょー!高校生か。何、紗季ちゃん。この子芸能界でデビューさせたいの?」

明日香がギョッとしていると、隣で紗季が笑う。

「違うわよ。それより源さん、この子に手出しちゃダメよ!」

源さんと呼ばれたそのカメラマンらしき人は、降参というように両手を上げると、ヘーイと返事をする。

「さ、じゃあ早速衣装を届けましょうか」

そう言って紗季は、スタジオを後にする。
明日香もハンガーラックを押しながらついて行った。
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