謎のアイドル☆レインボーピリオド
 阿月は呆気にとられながらもなんとか会話の中に入った。

 呆然としている間に着信音が連続で鳴り、みんなが会話しているのだ。



「す、すご……」



 驚いている阿月に、さゆはぶっきらぼうに言った。



「じゃあ来週、会いましょう」



 それだけ言うと、くるりと背を向けて去ろうとする。



「……え?ちょ、もう帰るの?」


「うん。私を呼びたかったらまたチャットで言ってよ。それに、火曜日会えるでしょ?」


「……そうだけど」


「忘れないで頂戴、私のこと」


「うん、もちろん!」




 ──忘れられるわけがないのに。





 自分の歌を褒めてくれて、自分をアイドルグループに誘ってくれたこと。


「じゃあ、私、帰るのさゆと逆方向だから……バイバイ!」


「ごきげんよう」



 ふっとさゆは微笑むと阿月と別方向に歩き出していた。



(久しぶりだな、バイバイなんて言ったの)



 ろくに学校に通わずにいたため、誰とも会ってなかった。

 バイバイなんて言う機会もなかった。


 そういや、人と会話したのも久しぶりか。





 不思議な少女、さゆ。


 阿月の日常を少しずつ変えていってくれる、気がした。



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